5月27日(金)第35回みんくるカフェを行いました。今回のテーマは「看取りや死別をコミュニティで支えあう」。ご自身が大切な方を亡くした経験を持つ方、また、医療者として大切な人を亡くされた方とかかわりの経験のある方など、12名の方が参加してくださいました。会場となったカフェは畳スペースもあり、普段は子育てママがお子さんを連れて集まることが多いという温かな雰囲気が漂う空間でした。お店ではとてもおいしいシフォンケーキを用意してくださいました。
看取りや死別は特別なことではなく、誰でもが経験することです。しかし、悲しさを言葉にすること、また話題にすることに難しさを感じることはないでしょうか?そんな問いから今回のみんくるカフェを企画しました。
まずは対話の前に「看取りや死別を地域で支えることについて」というテーマで、信州大学の山崎浩司先生にお話していただきました。山崎先生は、死生学を専門とし、大学教育に携わる一方で、ひとびとが支えあいながら生きていくのがあたりまえであるような社会をつくることを目的として、信州松本で活動する市民団体ケア集団ハートビートのメンバーでもあります。山崎先生からは、ハートビートの実際の活動として、分かち合いの会の開催や、電話や訪問での個別対応、また地域社会にでられない人へのケアも重要と考え、一人でいても情報を得ることができ、具体的な支援につなげられるようにと「大切な人を亡くしたとき」という冊子を作製されたことなどについてお話しいただきました。
その後、みんくるカフェ形式で対話がスタートです。オープニングクエスチョンは「よい死別、看取りってなんだろう?」
この問いから対話が始まりました。時間の流れでその価値観が変わってくるものであとになってから良くなるもの、つながりが大切、生きているうちに考えることが大切など、それぞれのテーブルでは、参加者の方々から発せられる様々な言葉が重なりあっていきました。そして、3つのテーブルそれぞれで、その対話をもとに次の対話のテーマを決めていただきました。続く対話のテーマは、「つながりをどうつくるか?」「精いっぱい生きるとは?」「自分の死について考える」と、同じ問いから3つの異なるテーマの対話へとつながっていきました。
そして、最後に各テーブルでの対話の内容を参加者全員で共有しました。空間というコミュニティにこだわらず、時間を共有できるようなコミュニティとしてのつながりの有効性や迷惑をかけないから迷惑をかけあえる仲になれるような関係が大切、コミュニティの中のお寺をもっと利用しよう、ご住職とお話ししてみよう、死に方は選べないが、死を受けいれる心づもりをもつこと、それはすなわち生き方につながるのでは、といったように、テーブルの対話テーマは異なっていても、それぞれのテーブルの対話の内容はしっかりと関連しあっている印象でした。
2時間という時間はとてもタイトで、もっと時間があったらとも思いました。でも、もう少し自分で考えてみようという余韻を残して終了の時間を迎えました。
最後に参加者の方々からの感想をご紹介します。
*死に関して対話できる機会は大切だと思いました。
*人それぞれ感じ方が違うことを改めて感じました。
*死は一瞬のことではない。長い時間の中にある。あるいはひとときのお別れ。
*主観的に納得できることが一番大事。
*死に方は選べない。そこからすべてがスタートできそうだ。
参加していただいた皆さま、ありがとうございました。また、「死」や「生きること」について対話できる場をみんくるカフェで作っていきたいと思います。