皆さん、こんにちは。
みんくるプロデューススタッフのマミです。
10月30日(水)、中野区社会福祉会館(スマイルなかの)で似顔絵セラピーの村岡ケンイチさんをお迎えして「セラピーが「場」にもたらすもの」というテーマでみんくるカフェを開催しました!
ケンイチさんは、全国の緩和ケア病棟や高齢者施設などを訪問し、そこで過ごされている方々の似顔絵を描く似顔絵セラピーという活動を13年も行っています。最近では、訪問診療を行っている医師に同行して、患者さんのご自宅で似顔絵セラピーを行うこともあるそうです。
まずは、そんな似顔絵セラピーの活動を行っているケンイチさんから、これまでの活動についてのお話をうかがいました。ケンイチさんは、これまでも似顔絵の世界では何度も受賞の経験があり、本業の絵を描くことで十分な業績を収めてきた方です。そんな中、似顔絵は人に笑顔をもたらすことができる、似顔絵のもたらす力が病院関係者の目にとまったことから、似顔絵セラピーの活動をスタートしたそうです。
ケンイチさんの描く似顔絵は、描かれている方々皆さん笑顔です。そしてその背景には、その方が大切にしているものや、大切な思い出、大切な人など、その方のこれまでの人生が色鮮やかに描かれています。その絵は、単なる「似顔絵」ではありません。そして、その絵を見ることで、描かれた人はもちろん、その周囲にいる人たちの間にも笑顔が広がっていくそうです。まさに笑顔が伝染していくのです。
実際の似顔絵セラピーでは、まずはその人のライフストーリーに耳を傾けるそうです。描く前に「聴く」ことから始まるのです。描かれる人が自分のことを少しずつ語ります。そして、ちょっとしたきっかけから、語りが広がり、そこに対話が生まれていくようです。そしてこの時間が何より重要なようです。参加者の皆さんは、ケンイチさんからお話をうかがうことで、これまでまったく知らなかった似顔絵のもたらす力にとても驚いていたようした。
そして、ケンイチさんからお話の後、6人ずつ2つのグループに分かれ対話を行いました。まずは、お話をうかがう中で、もっとも気になったことはどのようなことかを話しました。ここでは、みんなが笑顔になっていること、背景に人生が描かれていること、家族のケアにもなっていること、見せたくなる絵だということ、そして、あたたかい、といったことが語られました。そしてその後、話題を変えて、描かれている人、また描く人が、セラピーの場に身を置くということはどのような意味があるのかについて話しました。絶対的の肯定の場であること、相手を「みる」場であること、次はないという一期一会の場であること、、書き手の魔法がかかる場であること、そして、笑顔が伝染していく力を持っている場であること、などが語られました。不思議と対話の間中、参加者の皆さんにも笑顔があふれるような時間となっていました。
そして最後には、今回1番に申し込みをしてくださった参加者の方に「一番特権」ということで、ケンイチさんが似顔絵セラピーを実演してくださいました。30分くらいの時間をかけて鮮やかな水彩画の似顔絵を描いてくださいました。お時間の許す方には実際の似顔絵セラピーに近い形を見ていただきましたが、見ている方は興味津々の様子でした。本当にただ「描く」だけではなく、「語る」そして「聴く」という時間がそこにはありました。出来上がった絵には、描かれた方が語っていた今大切にしていること、大事な時間が背景にギュッと凝縮されて描かれていました。色もとてもきれいでした。絵が出来上がるまで、とても良い時間が流れていました。
では、最後に参加者の方のアンケートから感想をご紹介します。
・写真と絵の違いを明確に認識しました。「絵」は語りなんですね!
・似顔絵だがそこにとどまっていない。背影にあるその人の核になっているものを描き出している。
・カウンセリングなどの専門的な知識がなくとも、目の前にいる方と向き合う想いがあれば、相手の感情をあげることができる!というところに、人間の可能性を感じました。
・似顔絵を通じて、その人の心だけではなく、その似顔絵に関わる人までも元気にさせてしまう力は不思議なものでした。
・芸術も医療に関わることができることを知りました。
参加してくださった皆さま、どうもありがとうございました!
そして、ケンイチさん、貴重なお話、そして実際に絵を描いてくださり本当にありがとうございました!