2014年7月11日(金)、第30回みんくるカフェ「いのちをめぐる対話〜意思決定ができない赤ちゃんのいのちを考えることを通して〜」を開催しました。みんくるカフェ死生学シリーズ第4弾となります。参加者は、医療者(看護師・助産師・薬剤師・栄養士・MSWなど)、会社員の方、ライターさん、看護学生、僧侶の方など16名でした。
死生学とは「死」と向き合うことで「生」の意味を考えていく、それはまさしく「いのち」について考える学問です。単なる生命体としての「命」だけではなく、人として生きる「いのち」について深く考えます。今回は、そんな死生学の視点を少しとり入れながら、重い障害をもった赤ちゃんのいのちについてどのように考えたらいいのか、というテーマで参加者の皆さんと対話を行いました。
まずは、参加者の皆さんとある番組のDVDを一緒に観ました。DVDには、生まれつきのご病気の赤ちゃん、お誕生のときに具合の悪くなってしまった赤ちゃん、赤ちゃんのご両親、そしてそれぞれの赤ちゃんの担当の医師が登場します。
どのようにしてあげることが赤ちゃんたちにとって最善なのか。ご両親と医師との間で赤ちゃんのいのちをめぐる対話が何回にもわたって行われます。
DVDを視聴したあとは、参加者の皆さんで対話をしていただきました。
「あなたがもしも親の立場だったら?」
「あなたがもしも赤ちゃんや親御さんをサポートする立場だったら?」
「幸せに生きるとはどういうことなのでしょうか?」
対話の内容を聞かせていただき、改めて難しいテーマだと思いました。
小さな小さな存在だけれども、重みあるいのちの存在を、私たち大人はしっかりと受けてとめ、赤ちゃんにとっての最善はなにか、赤ちゃんは何を望んでいるのか、そして赤ちゃんとそのご家族にとっての幸せはどういうことか?真摯な対話を重ねて考えていくことが大切であるのだと思いました。そして幸せに生きるということは、一人だけではわからないものである、ということを改めて考えました。
最後に皆様から寄せられたアンケートをご紹介します。
「生後間もなくの子を亡くす状況は全くの想定外で非常に重いテーマだったが、そのことに触れられたことは貴重な体験でした」
「インフォームドコンセントではなく『対話』の大切さを改めて考えました」
「テーマが重く、答えのないモヤモヤが残った。しかし、だからこそ『生きるとは』を考えていかなければいけないのだと思った」
「医療現場でも様々な場面で対話ということを意識していきたいと感じた。医療者と患者だけでなく、医師と看護師の対話もきっと必要なのだと思います」