こんにちは。
みんくるのそんそんです。
2017年06月11日に開催した第39回みんくるカフェ「がんとともに生きる 〜当事者と医療従事者のぶっちゃけトーク〜」は、キャンサーペアレンツさんとの共同主催でした。およそ30人の当事者と医療従事者が参加しました。会場は浜松町のワークハピネス社の素敵なワークショップスペース。珈琲などを飲みながら、参加者で自由な対話を行いました。
共催団体の「キャンサーペアレンツ」は、子どもを持つがん当事者同士が出会うコミュニティサービスです。
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キャンサーペアレンツ主宰の西口洋平さんは、自らもがん当事者です。2015年に、ステージ4の胆管がんを診断された際、同世代のがん体験者が周りにおらず、相談できる人がいないことを痛感されたとのこと。また、子どもを持つがん患者が毎年約6万人(2015年国立がん研究センター調べ)増え続けている事実を目の当たりにし、自らも娘さんを抱える親として、子どもをもつがん患者でつながれる「キャンサーペアレンツ」を2016年春に開設されたそうです。
最初に主催者である西口さんと孫からオープニングトークをしたあとに、ワールドカフェ形式で対話を行いました。
テーマは「仕事のこと」「家族のこと」「食事のこと」の3つでした。
対話の内容を簡単にご紹介します。
「仕事のこと」
・医療者ががん患者の仕事のイメージがしづらい。もっと当事者と医療者が気軽に話せる対話の場があると良いのでは
・がん患者でももっと働きたい人もいる。会社側との対話が重要だろう。しかし、がんであることを打ち明ける際の難しさもある
・がんは、まだ死んでしまう病気という単一的なイメージがあり、言葉にする難しさがある
「家族のこと」
・子どもはいくつくらいになったら「死」について理解できる?自分のことをきちんと知ってもらうために、子どもが小さい頃から話をする人も。それぞれの家族の中で考えがある。
・医療者から当事者への伝え方は信頼関係の構築が基本。また年代によっても変えるべき
・当事者ばかりではなく、その家族のケアも大事。特に配偶者は、不安定な心理になることも多い。配偶者の声を聴いてもらえる場もほしい。
・家族にがんのことを話すことで家族の中での関係性や役割が変わった
・家族の立場からも「知った」ことを伝えないと、当事者が話してくれず「おいてけぼり」のような気持ちになったことも
・家族の中でお互いが思いやって「遠慮」をしてしまうことも
「食事のこと」
・食べられなくなる、そのバリエーションも人それぞれ。アーモンドだけ食べられた!うなぎが食べたい!というところから食欲が回復していったなど
・抗がん剤による味覚障害の出方もそれぞれ(しょっぱいが「辛い」になる等):3〜4日の短期間の場合もあれば、数年以上と長期間続く方も
・塩分が分からなくなり、料理を作るときに初めて気付き、それ以来食事を作ることがストレスに
・家族の食事と分けて作る負担がある。からあげが食卓から消えて子どもが泣いてしまった方の話
・がん患者だってお酒飲みたい:ほどほどならいいのでは
対話の中で特に印象に残ったのは、こうしたことについて「聴いてもらう場」がほしいということ。気軽に話せる場、聴いてもらえる場が、当事者のために、あるいは家族のためにもっと増えてほしいということでした。
今回のみんくるカフェは、がん患者やその家族と医療従事者の対話の場ということで、少しでもこうしたニーズに応える場を提供できたとしたら幸いです。
最後に、キャンサーペアレンツの西口様、また参加していただいたすべての方に感謝申し上げます。